2026年10月は、家計や働き方に関わる制度変更や値上げがいくつも重なっています。
特に知っておきたいのが、
- 社会保険の「106万円の壁」に関係する賃金要件が撤廃
- 最低賃金が全国で順次引き上げ
- 1歳未満の子を育てる国民年金第1号被保険者に新しい保険料免除制度
- 食品3,153品目が値上げ
- 10月1日に酒税を改正
- 夏の電気・ガス料金支援が9月使用分で終了
といった変更です。
「値上げ」だけでなく、パート・アルバイトの社会保険、自営業・フリーランスなどの子育て世帯に関係する国民年金、最低賃金など、収入や働き方に影響する制度も動いています。
この記事では、2026年10月5日時点で確認できる政府・公的機関などの最新情報をもとに、2026年10月から何が変わったのか、家計にはどんな影響があるのかを分かりやすく整理します。
- 【早見表】2026年10月から変わるお金・制度
- 電気・ガス料金|夏の料金支援は9月使用分で終了
- 社会保険|「106万円の壁」に関係する賃金要件が10月1日に撤廃
- 国民年金|子どもが1歳になるまでの「育児免除制度」が開始
- 最低賃金|全国平均1,177円へ順次引き上げ
- 食品値上げ|10月は3,153品目に拡大
- 酒税改正|ビールは減税、新ジャンルやチューハイは増税方向
- 生活保護|生活扶助基準の特例加算も10月から変更
- 働き方ではカスタマーハラスメント対策も企業に義務化
- 2026年10月、家計で確認しておきたいこと
- 2026年10月から変わるお金・制度についてよくある質問
- まとめ|2026年10月は「値上げ」だけでなく社会保険・年金も大きく変更
- 参考・公式情報
【早見表】2026年10月から変わるお金・制度
それぞれ詳しく見ていきます。
電気・ガス料金|夏の料金支援は9月使用分で終了
2026年夏に実施された国の電気・ガス料金支援は、原則として7月・8月・9月使用分が対象です。
家庭向けの主な支援単価は次のとおりです。
| 使用月 | ⚡ 電気・低圧 | 🔥 都市ガス |
|---|---|---|
| 7月 | 3.5円/kWh | 14円/㎥ |
| 8月 支援最大 | 4.5円/kWh | 18円/㎥ |
| 9月 | 3.5円/kWh | 14円/㎥ |
2026年10月5日時点で確認できる資源エネルギー庁の案内では、今回の電気・ガス料金支援は9月使用分までとなっています。
10月になった瞬間に値引きがなくなるわけではない
注意したいのは、電気・ガス料金の「使用月」と「請求・検針月」がずれることです。
一般的には、
9月に使用
↓
10月に検針・請求
↓
9月使用分には支援が適用
という流れになります。
そのため、多くの家庭では10月に届く請求書にも支援が反映される可能性があります。
ただし、検針日や請求時期は契約している電力・ガス会社によって異なります。
支援終了で家計への影響はいくら?
9月使用分の電気は、家庭向け低圧で1kWhあたり3.5円の支援です。
単純計算すると、
| 1か月の電気使用量 | 支援額の目安 |
|---|---|
| 200kWh | 約700円 |
| 300kWh 例 | 約1,050円 |
| 400kWh | 約1,400円 |
| 500kWh | 約1,750円 |
300kWh × 3.5円 = 約1,050円
月300kWhなら、
300kWh × 3.5円 = 約1,050円
です。
都市ガスを月30㎥使う家庭なら、
30㎥ × 14円 = 約420円
となります。
ただし、支援終了後に請求額が必ずこの金額だけ上がるわけではありません。
秋になってエアコンの使用量が減ったり、燃料費調整額などが変化したりするため、実際の請求額は家庭によって異なります。
電気・ガス料金支援について詳しく知りたい方は、
「電気・ガス補助はいつまで?2026年10月で終了すると電気代はいくら上がる?」
でもまとめています。
社会保険|「106万円の壁」に関係する賃金要件が10月1日に撤廃
2026年10月の大きな制度変更のひとつが、パート・アルバイトなど短時間労働者の社会保険です。
これまで短時間労働者が健康保険・厚生年金保険に加入する条件のひとつとして、
所定内賃金が月額8.8万円以上
という賃金要件がありました。
年収換算で約106万円になることから、いわゆる「106万円の壁」と呼ばれてきたものです。
この月額8.8万円以上という賃金要件は、2026年10月1日に正式に撤廃されました。
2026年10月以降は何を基準に判断する?
賃金要件がなくなっても、すべてのパート・アルバイトが社会保険に加入するわけではありません。
2026年10月時点では、正社員の4分の3基準を満たさない短時間労働者について、主に次の条件を確認する必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 学生ではない
- 2か月を超えて雇用される見込みがある
- 原則として従業員数51人以上の企業などで働いている
これまであった「月額8.8万円以上」という条件だけがなくなった形です。
「年収106万円以下なら社会保険に入らない」ではなくなった
今回の改正で大きく変わるのは、
「106万円を超えないように働けば社会保険に加入しなくてよい」
という考え方が、これまで以上に当てはまらなくなる点です。
たとえば、従業員数51人以上の対象企業で週20時間以上働くなど、その他の加入条件を満たしていれば、年収106万円という数字だけでは判断できません。
今後は「年収」だけではなく、
- 週何時間働くか
- 勤務先の規模
- 学生かどうか
- 雇用期間
などを確認することが重要になります。
会社の規模要件はまだなくなっていない
ここは特に注意が必要です。
106万円の賃金要件がなくなった=企業規模要件もなくなった
という意味ではありません。
企業規模要件は段階的に縮小されます。
厚生労働省によると、2027年10月から36~50人の企業にも対象が広がり、その後段階的に拡大されます。
「130万円の壁」は別
今回なくなったのは、短時間労働者の社会保険適用に使われていた月額8.8万円の賃金要件です。
健康保険の被扶養者認定などに関係する、いわゆる「130万円の壁」まで2026年10月に一緒になくなったわけではありません。
「106万円の壁が撤廃されたから130万円まで自由に働ける」と単純に考えないよう注意が必要です。
勤務時間や勤務先の規模によって判断が変わるため、自分が対象になるか分からない場合は勤務先や年金事務所などで確認しましょう。
国民年金|子どもが1歳になるまでの「育児免除制度」が開始
2026年10月1日からは、子育て世帯にとって大きな制度も始まりました。
国民年金保険料の育児免除制度です。
対象となるのは、1歳未満の子を養育している国民年金第1号被保険者です。
たとえば、
- 自営業者
- フリーランス
- 農業者
- 学生
- 無職の人
などが国民年金第1号被保険者に該当します。
対象となる父母は、届出をすることで所得に関係なく国民年金保険料が免除されます。
免除されても将来の年金額は減らない
この制度の大きなポイントは、
免除期間も国民年金保険料を納付したものとして扱われる
ことです。
一般的な国民年金保険料の免除制度とは異なり、育児免除の対象期間は将来の老齢基礎年金額にも納付済みとして反映されます。
父親も対象
育児免除制度は母親だけを対象とした制度ではありません。
条件を満たせば、
- 実父
- 実母
- 養父
- 養母
が対象になります。
基本的には子どもと同一住所で養育していることなどが要件です。
産前産後免除期間のない父親や養父母などの場合、子を養育することとなった月から1歳の誕生日の前月まで、最大12か月が対象となります。
2026年10月より前に生まれた子でも、10月1日時点で1歳未満など条件を満たせば、制度開始後の期間が免除対象になる場合があります。
対象になりそうな方は、日本年金機構の案内を確認しておきましょう。
最低賃金|全国平均1,177円へ順次引き上げ
2026年度の地域別最低賃金も引き上げられます。
厚生労働省によると、全47都道府県で54円~65円の引き上げとなり、全国加重平均は、
1,121円 → 1,177円
となります。
全国加重平均で56円の引き上げです。
10月1日に全国一斉で上がるわけではない
最低賃金の発効日は都道府県によって異なります。
2026年度は、
2026年10月1日~12月2日
の間に順次発効します。
つまり、10月に入ったからといって全国の最低賃金が一斉に1,177円になったわけではありません。
また、1,177円は全国平均です。
実際に適用される最低賃金は、勤務先の都道府県と発効日を確認する必要があります。
最低賃金が56円上がると月収はどうなる?
全国平均の引き上げ幅56円を使って単純計算すると、
1か月の労働時間 × 56円 = 月収の増加額
となります。
ただし、自分の時給が最低賃金より高い場合に、自動的に56円上がるという意味ではありません。
また、給与が増えることで社会保険料や税金などに影響する場合もあります。
47都道府県の最低賃金と発効日については、
「【2026年最新】最低賃金はいくら?47都道府県一覧・いつから上がるか解説」
でも詳しくまとめています。
食品値上げ|10月は3,153品目に拡大
2026年10月は、食品の値上げも大きな家計負担になりそうです。
帝国データバンクが主要食品メーカー195社を調査した2026年9月30日時点の最新集計では、10月の飲食料品値上げは3,153品目となりました。
以前の集計では3,033品目でしたが、その後の企業発表などを反映して増えています。
10月の分野別では、
- 酒類・飲料:1,399品目
- 調味料:820品目
- 加工食品なども多数
となっています。
値上げ1回あたりの平均値上げ率は約10%です。
2026年の値上げは、1~12月までの判明分で2万187品目となり、2年連続で年間2万品目を超えました。
9月・10月に値上げが集中
2026年は特に秋の値上げが目立ちます。
9月と10月の2か月だけで8,000品目を超え、年間判明分の約4割を占めています。
一方、11月は現時点で1,469品目となっているため、帝国データバンクは2026年の値上げラッシュについて、10月をピークにいったん収束する可能性を示しています。
ただし、原材料費、人件費、物流費、エネルギー価格、為替など、価格を押し上げる要因は残っています。
10月に何が値上げされたのか詳しく知りたい方は、
「【2026年10月最新】値上げ一覧|食品・日用品は何が上がる?酒税改正も解説」
でメーカー別にまとめています。
酒税改正|ビールは減税、新ジャンルやチューハイは増税方向
2026年10月1日には酒税率も改正されました。
特に大きな変更が、ビール系飲料の税率一本化です。
ビール系飲料は350ml換算で、
54.25円
に統一されました。
350mlあたりの酒税
ビールは減税される一方、新ジャンルはビールと同じ 54.25円に統一されました。
つまり、
ビール → 減税
新ジャンル → 増税
チューハイ等 → 増税
という方向です。
財務省は、ビール系飲料の税率を2026年10月に350mlあたり54.25円へ一本化し、チューハイなど「その他の発泡性酒類」は35円へ引き上げたとしています。
ただし、酒税が9円下がったから店頭価格も必ず9円下がる、という意味ではありません。
実際の販売価格には、
- 原材料費
- 容器・包装費
- 物流費
- 人件費
- メーカーの価格改定
- 小売店の価格設定
なども影響します。
酒税と店頭価格は分けて考える必要があります。
生活保護|生活扶助基準の特例加算も10月から変更
2026年10月からは生活扶助基準も見直されています。
厚生労働省によると、これまで行われてきた臨時的・特例的な対応について、2026年10月から1年間、
世帯人員1人あたり月額1,500円だった特例加算を2,500円へ引き上げ
ます。
また、加算後でも従来の基準額より減額になる世帯については、従来の基準額を保障する措置が設けられています。
対象となるのは生活保護受給世帯です。
すべての家庭に関係する制度ではありませんが、2026年10月の生活費に関係する制度変更のひとつとして押さえておきたいところです。
働き方ではカスタマーハラスメント対策も企業に義務化
家計そのものとは少し離れますが、働く人に関係する制度変更として、2026年10月からカスタマーハラスメント対策も変わりました。
厚生労働省によると、カスタマーハラスメントや求職者などに対するセクシュアルハラスメントを防止するための雇用管理上の措置が、すべての事業主に義務付けられています。
また、同一労働同一賃金に関するガイドラインなども改正されています。
給与だけでなく働く環境に関係する制度も、10月から複数変わっています。
2026年10月、家計で確認しておきたいこと
制度変更や値上げが多いと、「何から確認すればいいの?」と迷うかもしれません。
すべてを一度に見直す必要はありません。
家庭によって関係する項目だけチェックしてみましょう。
パート・アルバイトなら社会保険を確認
これまで「106万円以内」を目安に働いていた方は、
- 週の所定労働時間
- 勤務先の従業員規模
- 雇用期間
- 現在加入している健康保険
を確認してみましょう。
月額8.8万円という条件はすでに撤廃されています。
自営業・フリーランスで1歳未満の子がいるなら国民年金を確認
国民年金第1号被保険者で1歳未満の子どもを育てている場合、育児免除制度の対象になる可能性があります。
自動的に免除されるとは限らないため、日本年金機構の制度案内や手続き方法を確認しておきましょう。
最低賃金付近で働いているなら発効日を確認
最低賃金は都道府県によって変更日が異なります。
「10月から上がる」とだけ考えず、自分の勤務先がある都道府県で、
何月何日から、時給いくらになるのか
まで確認することが大切です。
食品は無理に大量買いしない
10月だけで3,153品目が値上げされていますが、値上げされた商品をすべて買いだめする必要はありません。
買い置きするなら、
- 普段必ず使う
- 保存期間が長い
- 特売で単価が安い
- 消費量が分かっている
- 保管場所がある
といった商品を中心にすると無駄を減らせます。
2026年10月から変わるお金・制度についてよくある質問
106万円の壁は2026年10月になくなった?
社会保険の短時間労働者に設けられていた月額8.8万円以上という賃金要件は、2026年10月1日に撤廃されました。
ただし、週20時間以上、勤務先の企業規模など、ほかの加入条件は残っています。
また、「130万円の壁」とは別の制度です。
106万円以下なら社会保険に入らなくていい?
必ずしもそうではありません。
2026年10月以降は月額8.8万円以上という賃金要件がなくなったため、年収106万円だけを基準に判断することはできません。
勤務時間や勤務先の規模などを確認する必要があります。
最低賃金は全国一律1,177円?
違います。
1,177円は全国加重平均です。
実際の最低賃金は都道府県によって異なり、2026年10月1日から12月2日にかけて順次発効します。
2026年10月は食品が何品目値上げされた?
帝国データバンクが2026年9月30日に公表した最新集計では、主要食品メーカー195社で3,153品目です。
以前公表されていた3,033品目から増えています。
電気代の補助は10月もある?
今回の夏季支援の対象は原則として2026年9月使用分までです。
9月使用分が10月に請求される場合は、10月の請求書にも値引きが反映されるケースがあります。
国民年金の育児免除は誰が使える?
主に、1歳未満の子を養育する国民年金第1号被保険者が対象です。
自営業者やフリーランスなどの実父母・養父母が対象となる可能性があり、所得要件はありません。
まとめ|2026年10月は「値上げ」だけでなく社会保険・年金も大きく変更
2026年10月は、家計に関係する多くの変更が重なりました。
特に重要なのは、
- 電気・ガス料金の夏季支援は原則9月使用分まで
- 「106万円の壁」に関係する月額8.8万円の賃金要件は10月1日に撤廃
- 企業規模要件はまだ残っている
- 1歳未満の子を養育する第1号被保険者向けの国民年金育児免除制度が開始
- 最低賃金は全国平均1,177円へ
- 10月1日から12月2日にかけて地域ごとに順次発効
- 食品値上げは最新集計で3,153品目
- 酒税改正でビール系飲料の税率が一本化
- チューハイなどの酒税も引き上げ
- 生活扶助基準にも変更あり
という点です。
特に社会保険については、「106万円以内なら大丈夫」という考え方では判断しにくくなっています。
パート・アルバイトで働いている方は勤務時間や企業規模、自営業・フリーランスなどで1歳未満の子がいる方は国民年金の育児免除制度を確認してみましょう。
食品や日用品についても、10月だけでなく11月以降の価格改定がすでに発表されています。
2026年の値上げを月別で確認したい方は、
「2026年値上げカレンダー|月別一覧と家計影響まとめ【随時更新】」
もあわせてご覧ください。
参考・公式情報
本記事は2026年10月5日時点で確認できる、主に以下の公式・公表情報をもとに作成しています。
- 経済産業省・資源エネルギー庁「エネルギー価格の支援について」
- 厚生労働省「厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年10月)」
- 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
- 日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」
- 日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」
- 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額」
- 帝国データバンク「食品主要195社 価格改定動向調査―2026年10月」
- 財務省「酒税に関する資料」
- 国税庁「令和8年10月1日実施の酒類の手持品課税(戻税)について」
※制度や支援策、価格改定の内容は今後変更・追加される場合があります。最新情報は各省庁・企業などの公式発表もあわせてご確認ください。
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